もし、日本の某私立大学が一カ月ラマダンに取り組んだら。(マレーシア新卒ブログ⑳)

はい。


今日でラマダン特集は最後になります。


この一週間、いろんなラマダンのブログや記事を見てきましたが、9割以上が情報の横流しで、その中にその人の考えやオリジナリティといったものが含まれているものが少なく面白くないと思いました。


30分ほどほどうんうん悩んだ結果、あのベストセラー小説『もしドラ』からヒントを思いつきました。


題して、


『もし、日本の某私立大学が一カ月ラマダンに取り組んだら』。



前提として、
『日の出から、日没まで空気以外のものを一切口にしない』
というルールのみを適用し、お酒や豚肉の制限、お祈りなどは適応しません。


そのほかのイスラム教の教えは一切いれないという条件の超短編ストーリーを書きました。




では本当に暇な方だけどうぞ。



==============================
ここは、京都市内にある某私立S大学。


授業の登録人数に対し、およそ5割の生徒しか授業に参加しない
ごくごくどこにでもあるふつーの私立大学。


そんな彼らはこれから一か月、ひょんなきっかけでラマダンにとりくむこととなった。


学長が熱心なイスラム教徒で、ぜひすばらしいイスラム教の『ラマダン』という行事を学生たちに体験してもらいたいと考えたからだ。


当然多くの学生から反対が出たが、反対に異文化を学ぶことに対して興味を示す父兄の声も多く、また教育改革の一環として日本でも例がないということでメディアにも後押しされ、実施にいたることとなった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このプロジェクトが始まってすぐ、大学では大きな問題が起きていた。


なんとか出席していたまじめな5割の学生のうち、約8割の学生が自主休校をすることになってしまったのだ。


飲み食いが一切できない上に、ただでさえつまらない教授の授業にわざわざ出席し、回らない頭で教授の退屈な話を90分を聞こうとする人は皆無に等しいだろう。


しかし、この苛酷な環境の中残った1割の本当に優秀な層の学生は、普段大教室でうんざりしながら聞いていた授業を、まるで高校生の時の少人数教室のように受講することができるようになった。


人数が少ないうえに、優秀な学生しかいないとなれば、普段一方的にレジュメを読み上げて満足している教授も前のめりになって熱心に授業をする。


さながらハーバード大学のような熱い議論が一割の学生同士や教授とのやりとりの中でになされ、ラマダンに耐えながらも授業に出席した達成感と、すばらしい授業を作り上げた一体感によって、非常に中身の濃い関係が築かれた。


基本的に優秀な一割の彼らは普段一匹狼で授業を受講するが、初めてここで自分たちと同じ意思を持った仲間と出逢い強い絆を結ぶ。


彼らと教授は意気投合し、日没後の会食に出掛ける。



【鳥貴族にて・・・】


佐藤『いやーラマダンは大変だけど、最高に白熱した授業だったな!』
鈴木『お前みたいなやつがいつも同じ教室にいたなんてしんじられねぇよ。もっと早く出逢いたっかったぜ!』
武者小路綾小路先生『俺は大学で教鞭をとるようになって、初めて授業が楽しいと思えたよ。(ぐすん)本当にありがとうお前ら!』
田中、山田、鈴木、佐藤『武者小路綾小路先生・・・。』


田中『いやー一カ月ラマダンをやるって聞いたときはどうなることかと思ったけど、まさかこんな出逢いがあるなんて、人生何があるかわからないもんだな。そしてなにより俺には新しい夢が出来た。大学生の教育レベルの低下が叫ばれている近年の日本で、この授業の形を日本全国の大学に広めるって夢だ!!』


山田『なるほど・・・。でもどうやってそんなことができるのさ?』


田中『ラマダンをたくさんの大学でとりいれるのさ!当然このプログラムの意図はつたえずにな。そしてそのラマダン中にも一度も授業を欠席せずに参加し続けた学生だけを日本中から集め、最強の組織を作る。そこに集まった超エリートの集団と、優秀な教授に直接オファーをかけるのさ。そしてその授業の様子をメディアやYOUTUBEをつかって日本中に発信する!』


武者小路綾小路先生『なるほど。これは1大ムーブメントになるぞ。イノベーションだ田中! 二代目スティーブジョブズだ田中! ロジカルシンキングだぞ田中!』


田中『やだなぁやめて下さいよ武者小路綾小路先生。言うは易し、行うは難しっていうじゃないですか。それより今日は俺達が出会った記念の日。みんなで兄弟の杯をかわしましょう!!カンパーイ!!』


山田、佐藤、鈴木、武者小路綾小路先生『カンパーイ!!!!』






10年後。





インタビュアー『田中さん!おめでとうございます!!なんと史上初日本の大学が世界大学ランキングの1位を飾りました!コメントをお願いします!!』


田中『10年前僕らが立ち上げた「ラマダン大学」が、とうとう世界の大学ランキングで、難攻不落のハーバードの牙城を崩すことができました。これはひとえに僕を支えてくれた、山田副学長、佐藤名誉教授、鈴木名誉教授、武者小路綾小路清掃員のおかげです。みんな本当にありがとう!
日本の教育界はこれから僕たちがひっぱていきます!!』


==============================================





・・・。


疲れたW



明日5時起きなので寝ます。



おやすみなさい。
(ちょっと楽しかったな・・・。)



☆☆2019年!モリゾーのマレーシア相談再開しました
気になる方はこちらの記事を読んでみてください☆☆

苦行の後のお祭り「ハリラヤ」(マレーシア新卒ブログ⑲)


みなさん。こんばんは!



今日はラマダンの終わった後の、恒例行事「ハリラヤ」について書いていきます!
日本の祝日の盆みたいな位置づけで行われているようです。


「ハリラヤ」って言葉の語源が気になったので、すこし調べてみたところ


『マレー語で"Hari(ハリ)"は「日」、"Raya(ラヤ)"は「偉大な」と言う意味がある。』


だそう。




またハリラヤについて知らない人のために簡単な概要の抜粋を。


=============================================
マレー人たちの家族が一同にカンポン(田舎)に集まる日それがハリラヤ。
彼らの宗教はイスラム教で、ハリラヤもその宗教行事の季節にあわせて行われます。
マレーシアで最大のハリラヤはハリラヤプアサ、海外では「イード祭」と呼ばれ、イスラム暦のシャワル月1日に行われます。
シャワル月1日とは断食の月(ラマダン月)が明けた日で、イスラム教徒たちは持ちあわせの中で最高の服を着て一同に集います。
もちろんハリラヤとはいえ、マレー人以外のインド系、中国系イスラム教徒たちもマレー人たちと同じように集まり、お祝いをします。
「セラマットハリラヤ・アイデルフィトゥリ」といいながらお互いに握手をしあいます。
この時に「マアフ・ザヒルダンバティン」と付け加え、今までしてきたお互いの過ちを認め、お互いに許しあいます。
==============================================
引用*http://www.junmas.com/classic/happening/hariraya99/raya.htm




要は、ラマダンという苦行を無事に終えたことを祝うために、家族や親せきと一同に集まってごちそうをともにするわけですね。


上記にもある通り、お年玉を渡したりするところからも盆というよりかなり正月」に近い感じ。
子供がいろんな家に回ってお金を集めるそうですが、それはどことなく「ハロウィン」にも通ずるような気もしますね。



また、このハリラヤに関して調べていると、オープンハウス」という非常に面白そうなイベントが。


この「オープンハウス」というのは、年に数回節目の時にいろんなところで行われる、関係者などを集めて無料で食べ物を提供することをいうんだそう。


そして、この太っ腹すぎるイベントが最高潮に達するのが、ラマダン明けの「ハリラヤ」なんだって。
この日にはなんと、マレーシアの国王や首相とかが、観光客も含めた一般人何万人という人に食事を無料で振舞うとか。


まあ、一か月ラマダン経験してないのにそのときタダ飯食いに行くほどの根性は僕にはありませんね。
そういうデリカシーのない人って生理的に無理なんです。ほんと。





さて、首相官邸があるプトラジャヤのすぐ近くに住んでいる僕のハリラヤの日の予定が埋まったところで、今日はお開きとします!



PS.TOEICの勉強を再開することにしました!日本だとTOEICって1カ月弱結果がでるまでかかるところ、マレーシアだとその日にわかるらしいですぜw



☆☆2019年!モリゾーのマレーシア相談再開しました
気になる方はこちらの記事を読んでみてください☆☆

ラマダンの影(マレーシア新卒ブログ⑱)



こんばんはみなさん。
明日からまた仕事ですね。5日ぶりですこし感覚が抜け落ちていますが、切り替えて頑張っていきましょう!!


はい。
それではラマダン第三弾「ラマダンの影」について書いていきます。


Google Alertにラマダンを登録し、かなりのラマダン関連のニュース記事を目を通しました。
今朝の記事ではラマダンの光の部分にスポットを当てましたので、対極的な内容になります。


ニュースでいくつか目に飛び込んできたものをピックアップします。




===============================
①熱波とラマダンが被ったことにより、多くの人が亡くなっている。
②ワールドカップの時間とラマダンの時間が重なり、選手が水分補給などできないため、パフォーマンスが低下してしまう。
③国によってラマダンの時間は最大で倍以上異なる。(最長22時間の国もあるそうです。)
④ラマダンを守らなかった青年がイスラム国によって処刑された。
===============================





などです。
これらの記事は、目に見えている結果や程度は当然異なりますが、ラマダンに潜む一つの難しい部分で共通していると思います。


それは、



『ラマダンを守る必要がある人と、そうでない人の線引きはどこか?』



ということ。要は解釈の問題ですね。


当然これに関しては宗派や国によってもニュアンスが違うということはすでに前回までの記事で述べている通りです。(子供や、老人、妊婦や病人などは免除される、もしくは時期をずらして行う)


100%どんな人にもというものであればわかりやすいですが、上記の例外が存在するという柔軟性がある以上、その線引きというところが非常に分かりづらく、ニュースに取り上げられる問題の多くが、この境界線で起きていることではないかなと思います。


当然熱波などは、健康な上記の例外に含まれない成人男性であっても命にかかわるわけです。
かといって上記の病人に属するのかというとそうでもない。


国の威信を背負って戦う選手達(サッカーに限らずどのスポーツもですが)は、試合のときでは例外ではいけないのか、など。


同じラマダンでも22時間ラマダンする必要があるとしたら、9時間で終わるラマダンと比較すると、その苛酷さも、内容も全く変わってしまいます。



良く法律や憲法、宗教でも聞く話ではありますが、当然言葉の意味には幅があり、また文言で書き記しきれない例外も存在するわけであるから、「解釈」というのは非常に難しい問題であるなとこの問題を考えるにあたって感じました。


当然、絶対の存在が常にいれば、その人に教えを請えばいいんでしょうが、すでに亡くなった人が書いた記述や、言動などであればだれかがそれを判断する必要があるわけで。


そしてその権利はいったい誰にあるのか。そしてその範囲はどこまでなのか、どうやってその人を決めるのか・・・。


考え出すと疑問はつきませんが、この記事では書ききれないのでこのあたりで。


日本にいるとなかなか考えることがない宗教の問題ですが、関係ないと思わずに自分ごとだと思って考える時間を作ることも、相手の立場を理解することにおいて重要だなと感じますね。


僕がブログを書いている一番の目的はそこにありますから。




それでは!明日からみなさんお仕事頑張っていきましょう!!